買ってから数日経って、なんとなくスマホで残高を開いた。

数字の横が、緑色になってた。

含み益、+820円。

…820円。 缶コーヒー4本分くらい。

なのに、なぜかニヤけた。


額じゃなくて「向き」が変わった

10万のうち+820円って、率にしたら0.8%。 これくらい、何もしなくても普通に上下するレベル。

頭では分かってる。 分かってるのに、変な笑いが出る。

仕事中も、休憩のたびにスマホ開いた。

+850円。 +780円。 +910円。

…見すぎ。


「自分が動かしてないのに増えてる」感覚

これまで、自分の中の「お金が増える」って、

  • 残業して稼ぐ
  • 1台多く売って稼ぐ
  • 飲み会断って節約する

この3つくらいしか知らなかった。

「自分が寝てる間に、勝手に数字が動いてる」って世界は、正直ピンと来てなかった。

それが、たかが+820円で、ちょっとだけ見えた気がした。

…単純すぎる、自分。

職場の休憩室で、椅子の背にもたれてスマホを開いて、+800円台を見ながらコーヒーを飲む。 給料明細を見るときの諦めた感覚と、ぜんぜん違う種類の数字だった。

働いて手元に来るお金じゃなくて、預けたお金が勝手に動いた結果の数字。 たった3桁。 なのに、なんか別世界の地図が、ちょっとだけ見えた気がした。

少し笑っているオカノ/スマホをのぞき込む


「人生変わる気がした」のはなぜか

冷静に書くと、+820円で人生変わるわけがない。

ただ、自分にとっては、

  • 上がらない給料
  • 増えないインセンティブ
  • 何もしないでジワジワ目減りする貯金

これがずっと現実だった。

そこに初めて、「自分の労働とは別の場所で、ちょっと数字が動いた」が現れた。

その「向き」が変わっただけで、未来が少し違って見えた。


いま思うこと

たぶん明日には、この+820円は普通にマイナスに転ぶ。 そういうもんだって、なんとなく分かる。

実際、仕事帰りに見ると、すでに+390円まで減っていた。 …早い。

含み益っていうのは、実現してないから含み益。 売って初めてお金になる。 それも、頭では知ってる。 知ってるけど、画面の上で「+」が出てるだけで、自分の口座が少しだけマシになった気がしてしまう。

それでも、初めて「+」がついた瞬間の気持ちは、たぶんしばらく覚えてる。

派手な勝ちじゃない。 むしろこれから、何回も「-」を見る前提でいる。

それでも、最初の小さな緑の数字は、自分にとっては結構なご褒美だった。

自分はこの口座のまま、少額で続けてみる。 増えるかどうかより、「ビビらず置いておけるか」を試してる感じに近い。